1999年代後半にファイザー社によって発売されたバイアグラは、瞬く間に世界各国に普及、あまりの人気ぶりから偽物まで登場するほどでした。
あれから20年を経て後発新薬であるバイアグラジェネリックも数多く登場しており、さらに身近な存在になっています。
世界初のED治療薬バイアグラはどのような薬なのか、作用機序や成分について、今では当たり前になったジェネリック薬品についても可能な限り詳しく説明していきます。

バイアグラとは?どんな成分?

バイアグラは、勃起不全(ED)に対する治療薬として知られていますが、それ以前は、主成分であるシルデナフィルが、血管拡張作用を持つことから狭心症の治療薬として開発されていました。
しかし臨床試験において芳しい結果を出せなかったことから試験の中止が決定されます。
そのため試験に参加した被験者らに余った錠剤を返すよう求めますが、彼らは勃起不全を改善する効果を知っていたため、バイアグラの返還を渋りました。

その情報を知ったメーカーは、ED治療薬として開発することを決定しました。
人が性的興奮を感じると感情グアノシン-リン酸(cGMP)と呼ばれる血管拡張作用が働き海綿体に血液が集まり勃起しますが、性的興奮が収まると5型ホスホジエステラーゼ(PDE-5)が分泌され勃起が収まります。
バイアグラの作用機序は、主成分であるシルデナフィルが、性的興奮を抑える物質であるPDE-5の働きを阻害、血管が拡張したままの状態を長時間維持することで勃起を改善します。

バイアグラを服用すると約30分~1時間後に効果を発揮し始め、3~4時間後に血中濃度が半減します。
効果の感じ方には個人差もありますが、最長90分ほど勃起を維持できます。
シルデナフィルには、血管拡張作用があるため、1度服用した後は24時間あけて再度服用します。
1日に複数回服用すると血圧が大きく低下してショック状態に陥ることもあるため、医師の処方箋が必要です。

バイアグラを服用しても必ずしも効果を感じられない場合もあります。
糖尿病や重度の肥満体、抗うつ薬を服用している場合です。
糖尿病が進行すると合併症として神経障害が発生し勃起機能を大きく阻害します。
また肥満体の場合も生活習慣病などの病気によって神経障害の発生リスクがあるため、高い効果を期待できません。
この他にも抗うつ剤には、性欲を減退させる作用があるため、バイアグラが効果を発揮しづらくなります。

バイアグラが処方されるのは、加齢によって勢力が減退してしまった人が中心です。
特に30代や40代を中心に50代以降の方に利用されており、年令を重ねることで勃起不全になった方であれば高い効果を実感できます。
また抗うつ剤の服用によって精力が減退した場合や血管の病気の場合も処方されます。

ジェネリックとは?先発医薬品との違いって?安全?

バイアグラが登場した当時、その効果とともに価格の高さも知られるようになりました。
病気が理由のEDでなければ保険適用できないため自由診療扱いとなります。
おおよそですが、25mg錠で1000円~1300円、50mg錠で1500円~2000円となり、医師の診察料も負担するため、1回あたりで5000円~1万円ほどすることも多く、高い効果を期待できるものの高価な薬でもありました。

そんなバイアグラにジェネリックが登場したのが、2014年5月13日のことでした。
バイアグラの特許が2013年5月17日に切れたため、他のメーカーらがシルデナフィルを主成分としたED治療薬の開発と販売を開始しました。
それまでED治療薬はバイアグラの独壇場でしたが、後発医薬品ジェネリックの登場により、選択肢が増えるだけでなく、治療費削減にも貢献しています。

世界で初めてのED治療薬であったバイアグラは先発医薬品でしたが、2013年に特許が切れたため、他の製薬メーカーもED治療薬を開発・販売できるようになりました。
先発医薬品とジェネリックの違いは開発費用にあります。
先発医薬品は膨大な研究費と期間を伴いますが、ジェネリックは開発費用と期間を短縮できるため、その分価格も安くなっています。
バイアグラ1錠あたり1000円~2000円しますが、ジェネリック薬品や1錠あたり500円~1000円ほど安くなっており、役30%~80%価格帯で利用できるようになりました。

ジェネリックの主成分は、バイアグラと同じシルデナフィルであり、その他の成分配合もほとんど同じです。
価格に違いがあるものの効果に関しては、バイアグラとほとんど変わりません。
また医療機関で処方されているジェネリックの全てが厚労省の製造承認を受けているため、服用上の注意を守って利用すれば安全です。

もちろんジェネリックも医師の処方箋を必要とする医薬品であるため、ドラッグストアで手軽には購入できませんが、精力増強サプリメントとは違って顕著な勃起改善を期待できます。
バイアグラなどの先発医薬品を利用したいけど、価格が高いという方、夫婦生活の改善を目指している方、長年悩んでいる方などに利用されています。
価格の安いジェネリックは、ED治療をより身近にしてくれたと言えるでしょう。

バイアグラのジェネリックは現在どれくらい存在するか

日本でバイアグラのジェネリックが登場したのは2014年5月でした。
それ以降、数多くのメーカーがED治療薬を発表していますが、具体的にはどれぐらいの種類があるのでしょうか。
まずジェネリックには大きく分けて、国内製薬メーカーのものと海外製薬メーカーのものがありますが、ここでは日本国内で製造承認された種類のみを紹介しましょう。

バイアグラの特許が切れた翌年の2014年5月に発売された東和製薬のシルデナフィルOD錠「トーワ」が、ジェネリック薬品の先頭を切って登場しました。
次に登場したジェネリックが、キッセイ薬品のシルデナフィル錠「キッセイ」、3番手が陽進堂のシルデナフィル「YD」でした。
日本の製薬メーカーが開発したバイアグラジェネリックの特徴は、シルデナフィルの後に「企業名」を入れていることです。

この他にも2014年には数々のメーカーがジェネリックを販売しています。
日本最大の製薬メーカーで知られている武田薬品が販売するシルデナフィル錠「あすか(あすか製薬が製造)」、また富士化学工業のシルデナフィル「FCI」、大興製薬のシルデナフィル錠「DK」、辰巳化学のシルデナフィル「TCK」、シオノケミカルのシルデナフィル「SN」、テパ製薬のシルデナフィル錠「テパ」です。
日本の製薬メーカーが開発したバイアグラジェネリックは、ざっと10種類ほど存在していることがわかりました。

メーカーによって錠剤の形や色、風味も大きく違います。
例えば、最も早くジェネリックを発表した東和はタブレット錠剤を採用、コーヒーとレモン風味を加えたことも異なるポイントになっています。
またアーモンド形の錠剤を採用していたり、ひし形の錠剤もあります。
カラーもホワイトやベージュ、ブルーまで幅広くなっており、メーカーに寄って違っています。

この他にも錠剤を2つに割ることのできる割線があるものと割線なしの種類に分かれています。
割線の有無によって1錠あたりの容量も違ってきます。
割線のないジェネリックは、25mg錠と50mg錠の2種類があり、割線がある場合は50mg錠のみを扱っています。
割線がある錠剤を必要に応じて2つに割り、2回分に分けて服用できます。
割り方はスプーンの丸みのある部分にタブレットを乗せて左右に指で押すだけ、するときれいに割れます。